中古マンション価格の妥当性を分析します。

このブログは、中古マンションの購入を検討される方に対し、マンション価格の妥当性をどのように分析してお示しするかご説明するものです。

最初に中古マンションの価格査定について簡単にご説明します。

一般的なファミリータイプ中古マンションの価格査定には、「取引事例比較法」という手法が用いられます。
この手法は、同一マンションか又はできるだけ差分の少ない別のマンションの取引事例を比較対象とし、両者の物件の築年数、交通・立地、専有部や共用部の状況や仕様を考慮した上で相対比較を行って適正な金額を割り出すものです。
実務的には、(公財)不動産流通推進センターが策定し、国土交通省が利用を推奨している「既存住宅価格査定マニュアル」(以降「価格査定マニュアル」)が広く使われています。

価格査定マニュアルは、異なる2つの物件を相対比較するために、予め定義されている各種項目ごとに点数(評点という)を付け、それぞれの評点の合計を求めて正規化しています。
各種項目とは、例えば売買時期、階数、専有部の面積、立地、管理状況など、細かく配点が決められており、査定において査定者が全ての項目の点数付けをします。
例えば、最寄駅から徒歩3分であれば+4.5点、徒歩10分であれば-5点という具合に点数付けし、基礎点100点を起点に各項目の点数を加算または減算していくのです。
これについては多くのサイトで詳しく解説されておりますので、「中古マンション 価格査定マニュアル」で検索してみてください。

そして最終的に得られた評点を以下の式に当てはめて査定額を求めます。

事例マンション単価(万円/㎡) × 査定マンション評点/事例マンション評点 × 査定マンションの面積(㎡) × 流動性比率

流動性比率とは価格調整のために査定者が自由に設定できる係数です。
とりあえず ”1“ (無いもの)として考えます。

さて、実際の成約価格は価格査定マニュアルの結果と合っているものでしょうか。
ある物件のある成約価格を事例に、それよりあとに成約している物件の査定をしてみると、合うものもあれば合わないものもあります。そして合わないものの存在は以下の通り色々と想定できます。

  • 査定者が価格査定マニュアルに沿って査定しているとは限りません。
  • 成約事例にどの事例を選定するかによって査定結果が変わります。
  • 点数付けには主観が入る項目が存在します。(例えば「階数」「駅からの距離」などは明確ですが、「眺望」の良し悪しなどは基準が曖昧です。)
  • 市場の外的要因や地域や物件の事情が加味されていません。(これらを加味するために「流通性比率」という係数が置かれていますが数値はブラックボックスです。)
  • 取引価格は最終的には所有者様と購入者様のお考えで決まるものです。

ここまでは、売り出し価格を決めるための価格査定と、査定結果と実際の成約価格の間の乖離(カイリ)についてご説明しました。

次に中古マンション購入の視点で考えたいと思います。
価格査定マニュアルに沿うと、築1年の物件は経年数に従って必ず評点即ち査定額は低下します。下のグラフをご覧ください。
これは築1年目のある物件を査定したときの評点を基準に、築年数経過に伴う評点(すなわち査定価格)の減少を現したものです。

実際の成約価格がこのカーブに乗ることはまずありません。
例えば資産価値が上昇トレンドに乗っていれば成約価格の下落は鈍り、価格査定のカーブから上に外れていきます。そしてその傾向を掴めば価格査定マニュアルに従って得られた評点を基準に過去の成約価格が割高、割安のどちらに推移してきたか、そして資産価値が上昇トレンドなのか下降トレンドなのか簡易的に推定できることになります。

簡単な事例を挙げたいと思います。先ほどのグラフの物件Bの成約結果を重ねてプロットしたとします。
※あくまでイメージ図。実例ではありません。

実際には、多数の成約実績を集め、個別に比較対象をどれにすれば合うのか、それとも不連続な成約価格になっているのか、そしてそれが後続の取引に影響しているかまたは突発的な案件なのかあぶり出します。
また、査定評点と㎡単価の推移などから全体の価格トレンドを掴むこともできます。

中古マンションの価格は新築マンションと比べて分かりにくいとお考えの方は多いと思います。
しかしこのように、データを集めてしっかり分析することにより、物件価格の妥当性が見えてくるのです。

弊社はできる限りの情報を収集し、丁寧に分析してお客様に有用なデータを開示できるよう努めたいと考えております。
物件お探しの方はどうぞご連絡下さいませ!

 

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